間が空きましたが投資手法(応用編)前回の記事の続きです。
前回までは「平凡で割安」なものを買うと思うようにパフォーマンスが伸びなかったが、「良い事業をそれなりで」買うと結果的にうまくいくというのを失敗談を交えてお伝えしました。
「平凡で割安」から「良い事業をそれなりで」はバフェットも通った道
実はバフェットもこの考え方の転換をたどっていました。
バフェットと同じなんていうのは大変僭越ですがバフェットも同じような考えをしたというのならば説得力が増すのではないでしょうか。
バフェットの辿った道
バフェット初期の投資法は安いものを買う
バフェットはかつて当時既に斜陽産業だった繊維業を営んでいたバークシャー・ハサウェイという企業を買収しました。
しかしどうやっても経営を立て直すことができずに工場閉鎖にまで追い込まれました。
つまりこの投資はバフェットの数少ない失敗となってしまったのです。
その頃の投資法はというと師匠であるベンジャミン・グレアムの教えを活かしたものでした。
それは、その企業のビジネスを見るというよりかは決算書を見て「その企業が保有している資産に比べて市場が値付けしている値段がとても安いものを買う」というものです。
しかしその手法で大きな失敗してしまったのです。
フィリップ・フィッシャー、チャーリン・マンガーと出会い投資手法を確立
その後バフェットに投資手法の変化が見られました。
シーズキャンディーという企業を買ったのですが、それは今までのように「保有する資産に比べて割安なものを買う」のではなく、端的に言うと「ビジネスを見て買う」というものでした。
今までのバフェットならシーズキャンディーを買うことはなかったのですが、その企業が持つブランドやビジネスの優位性を評価して買うことで更なる成功を収めていったのです。
それはフィリップ・フィッシャーやチャーリー・マンガーの考え方でした。
バフェットはこう語っています。
チャーリーは、ベンジャミン・グレアムから教わったままに割安だから買うという単純な戦術にとらわれていた私が新たな一歩を踏み出すのを後押ししてくれた。これこそ、彼が私に与えてくれた真の影響である。グレアムの考え方の限界を超えるためには、チャーリー・マンガーの思考の力が必要だった
ウォーレン・バフェット
割安投資の限界
「割安なものを買う」という手法の限界は、「見つけやすい」というのがあると思います。
決算書に掲載されているその会社の資産と株価を比べて買うだけならそれほど難しいことではありません。
グレアムの時代だったら決算書を入手してそれを読み解こうとする人も今より断然少なかったでしょうしそれが株価に反映されるのも時間がかかっていたでしょう。
しかし、今は誰でも瞬時に情報が手に入り、反映されてしまいます。
そうするとこの手法ではなかなか儲けづらくなってきたのでしょう。
それに、たとえうまくいったとしてもこの手法だといいところ買値から2~3倍上昇がいいところでしょう。
素晴らしいビジネスを展開している企業を見つけてその企業が成長している間持ち続ければ更に多くを享受できます。
やはりそんなところから考えても「平凡で割安」から「良い事業をそれなりで」は理にかなっているのではないでしょうか。
まとめ
実は私がこの考えの転換をする前からバフェットが同じような転換をしていたことを知っていました。
しかしそれにも関わらず安いものを求めて投資をしてしまっていました。
安いものが欲しくなるというのは人間の性なんでしょうか。
それともただの貧乏性なのでしょうか。
この言葉が身に染みます。
我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ
ウォーレン・バフェット
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