銘柄分析【9162】ブリーチ Part3 ~割安度・ここまで売られる理由~

銘柄分析【9162】ブリーチ Part3 ~割安度・ここまで売られる理由~

前回までの記事でこの銘柄の事業的な魅力や強みについて紹介しました。

続いては割安度についてです。

銘柄分析【9162】ブリーチ Part3 
~割安度・ここまで売られる理由~

なんとも間が悪いことに、この銘柄分析記事のPart1を投稿した次の日の決算で、こちらの銘柄は下方修正を出しました。
しかし下方修正の理由は、「今期から進めている新商品の立ち上げに思ったより時間が掛かるから」ということで、この企業のビジネスモデルの根幹が覆ったというものではないのでこのまま続けます。

そして、この銘柄分析記事で伝えたいのは「その時手に入れられる情報からどのように投資判断をしたか」なので、今期の1Q決算が発表されるまでに時間軸を限定してお伝えします。

割安度

ここまでの記事を読んでこの銘柄の適切な価格はいくらでしょうか?
PERは何倍だと思いますか?

まずはこの銘柄の去年までのチャートを見てみましょう。

ブリーチチャート
TradingView

赤丸は私が始めてこの銘柄を購入したのがこの辺です。
投資判断はこのときの株価(およそ500円辺り)でしていますのでこのバリュエーションについてはこのときの価格を元にお話します。

上場以来一貫して下がり、一時は4分の1にまでなりました。
そして購入したときのおおよそのPERは9.4倍!!
上場したての成長株がPER10倍を切るなんてちょっとやりすぎじゃありませんか!?
よくもまあここまで売り込まれたもんだ。

ここまで売られた理由

なぜここまで売られたのでしょうか、その理由はおそらく今期の予想と実績にあるのではないでしょうか。

今期の予想

ブリーチ2024年予想
ブリーチ決算短信

今期の会社予想は売上こそ25%増ですが、利益がほぼ横ばいの予想となっています。
成長株は常に成長することが求められます。
一度でも立ち止まろうものなら売られるのが常です。

1Qの実績

続いて今期1Qの実績です。
(既に2Qの決算まで出ていますが、購入したときに知り得た情報はこの1Q実績までです。)

ブリーチ2024年1Q決算短信
ブリーチ2024年1Q決算短信

売上の進捗率は18.4%、営業利益の進捗率は7.2%となっています。
確かにこれは酷い…

1Q時点では1年の25%が過ぎているのだから進捗率もそのくらいほしいですよね。
なのにこの出来はかなり酷い。
しかもこれは季節性の問題ではない。
成長株がこの出来だと普通ならば大暴落ですね。
実際にこの決算の発表後大きく売られました。
(にしても、その前から売られすぎでしょ。異常なほどに…)

それでも買った理由

今期の予想はよろしくない、進捗は最悪。
それでも買ったのには理由があります。
しかもこんなのは誰にでもわかることなのに…。

今期の予想が弱気な理由

ブリーチ24/6期における成長戦略
2023年6月期決算説明資料

簡単に言えば中長期に対する投資です。
どれもこれも未来の利益を大きくするための投資ですね。
それにより今期の利益は伸びないということです。
これをより詳しく説明しているのが次の資料といえます。

1Qの実績がイマイチな理由

ブリーチ KPIの予測方法
2023年6月期決算説明資料

これまたご丁寧に書いていますよ、特に赤枠のグラフを御覧ください。
今期の予想がイマイチなことに加え、特に1Qは売上が全然上がらないということは事前にこうして開示されていました。
そして期が進むに連れて売上が大きくなっていくということです。
理由ももちろん記載されていますね。
「上半期は新たな商材ポートフォリオの拡大に力を注ぐから売上は下期に偏重するよ」
ということです。

それならば売上の進捗率18.4%も納得じゃないですか!?

ちなみに…
私が調査したところによると、1Qの売上は3760百万円と弾き出されました。
もちろん1Q決算の発表前にね。
そして実際は…

なんと3766百万円!!
ニアピン賞ですね!!!
さすがにこれは自分でも驚いた。

どうやって弾き出したかって?
定規を当てて割り出したんですよ。

それ故事業は順調と踏み、投資したというわけです。

どうです!?
決算説明資料に書いてあるんですよ、こんなことは。
なのに1Qの決算発表後に暴落しているんです。
事は順調に運んでいるだろうにも関わらず。

以上、ここまでがブリーチの主な分析です。
おまけとしてもう1つ追加で分析記事を書いてみようと思います。
この銘柄でどこまで儲けられるのかの皮算用と懸念事項についてです。

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