利益率という指標をどのように投資に応用すればいいかについて今回は私がよくやる手法をお伝えしようと思います。
これならば比較的簡単に利益率が伸びていく企業を見つけられるのではないでしょうか。
確実に利益率が上がる企業を見つけ出すには ~セグメント情報に注目する~
セグメント情報とは
まずはセグメント情報とは何かというところから説明していきましょう。
セグメント情報とは、企業が行っている事業が複数あり、各事業の規模がそれなりの規模になった場合に事業毎に売上と利益を公開するというものです。
例えば以前投資していたコア(2359)という銘柄は「ソリューションビジネス」「SIビジネス」という2つの事業を行っています。
そしてそれは決算短信や有価証券報告書に記載されています。
コアの場合は直近の決算短信ではこのような感じで記載されています。
これに注目すると利益率が上昇する銘柄がわかるというのはどういうことでしょうか。
各セグメント業績推移を見ることで利益率の上昇を予想できる
決算短信に載っているこの情報をただ眺めているだけでは大したことはわかりません。
この情報の推移を見ると見えてくるものがあります。
つまり、各セグメントの売上や利益の推移や割合等を眺めると利益率の上昇が予想できることがあるのです。
こんなときに役立つのが以前紹介したマネックス証券の銘柄スカウターです。
以前紹介した記事はこちら↓
銘柄スカウターを活用してコアのセグメント情報を見てみましょう。
各年のセグメント毎の売上・利益の推移・割合等が一目でわかります。
まず一番上の図の売上の構成比を見るとソリューションビジネス事業とSIビジネス事業で半々くらいだとわかります。
一方で利益はソリューションビジネス事業がおよそ90%と、ほとんどを占めています。
ということはソリューションビジネス事業の方が儲かっているんだろうとわかります。
実際に利益率は2021年3月期でソリューションビジネスが16.85%、SIビジネスが2.1%とソリューションビジネスの方が圧倒的に高いですね。
つまりこの企業が利益を上げていく1つの方法がこのソリューションビジネスに力を入れると考えられますよね。
利益率が圧倒的にソリューションビジネス方が高い。
こっちの方が儲かるならばそこにリソースを投入していくことでより簡単に確実に利益を上げることができるでしょう。
実際にこの企業がそれを狙っているのが(事業別売上高)を見るとわかります。
ソリューションビジネスは年を追う毎に上がっていき、SIビジネスは下がっていっています。
SIビジネスからソリューションビジネスへと事業転換を図っているんですね。
より安全に確実に儲かる事業へ投資する
どうでしょう、こういうやり方ならば売れるかわからない商品やサービスを開発して売上と利益を伸ばそうとしている企業よりも確実だとは思いませんか?
もうソリューションビジネスが儲かるのは過去の実績で明らか。
そして実際に企業が儲かる事業へと舵を切っているのも過去の実績で明らか。
だったらこっちに投資しますよね?
リスクが低くても儲かる投資は存在するのです。
セグメント情報だけでもこれだけのことがわかるのですが、他の資料を読むことで裏を取ることもできます。
コアの中期経営計画を見てみましょう。
中期経営計画の「基本戦略」というところに
①ビジネスモデルの転換
SIビジネスからソリューションビジネスへビジネスモデルの更なる転換
と書いてありますね。
やはり意図的に事業の転換を図っているのがわかります。
更に、
「②成長分野の定義・成長エンジンの加速」
ソリューションビジネス:スケールメリットを活かした横ぐし展開で、全国に同じサービスを展開
とあります。
これにも目がいきますね。
他の地域で既にうまくいっているものを地域を広げて展開するのならば再現性があります。
これもまたリスクが低く安定して利益を増やすことのできるパターンではないでしょうか。
まとめ
このように、投資というのは内部情報に長けている人にしか儲けられないというわけではなく、誰にでも手に入る資料や情報を利用して儲けられるのです。
しかも今回紹介した手法のようにできるだけ確実に利益を増やす銘柄というものを見つけることは可能なのです。
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