「ピーター・リンチの株で勝つ」という本を紹介しております。
こちら↓が前回の記事です。
書籍紹介「ピーター・リンチの株で勝つ」 ~銘柄の分類~
続いては「銘柄の分類」についてです。
銘柄の分類と聞いてもピンとこないかもしれないので詳しく説明していきましょう。
銘柄の分類
ピーター・リンチは銘柄の特性によって6種類に分けられるとしています。
それがこちらです。
- 低成長株
- 優良株
- 急成長株
- 市況関連株
- 業績回復株
- 資産株
それぞれ簡単に説明すると、
低成長株
最初は急成長だったが、限界に達したか努力をやめたかで成長が緩やかになった銘柄。
優良株
低成長株を上回る成長だが、急激な成長ではない銘柄。
年率10~12%程のもの。
急成長株
年に20~25%成長する銘柄。
うまく行けば10倍や100倍になるもの。
市況関連株
売上と利益が循環的に上下する銘柄。
業績回復株
業績不振の淵から立ち直ったというような銘柄。
資産株
市場が見過ごしているがあなたは知っているような何らかの資産を持っている会社。
私が主に投資しているのは「急成長株」です。
比較的とっつきやすく、見つけやすく、多くの利益を期待できそうなのが急成長株なのではないでしょうか。
逆にとっつきにくいのが
「市況関連株」「業績回復株」「資産株」ではないでしょうか。
少なくとも投資初心者があまり触れないほうがいいのがこれらだと思います。
特に「資産株」というのは昔と違って得られる情報の格差が縮まっているので、見つけにくいと思います。
たとえ見つけても得られる利益もそこまで多くありません。
まずは順調に成長している企業、これから成長しそうな企業に的を絞るのが得策に思います。
分類による効果
銘柄による分類をすることで何に役立つのでしょうか?
それは売買の基準がわかるようになるという利点があるでしょう。
例えば、低成長株と急成長株を同じように扱うと痛い目にあいます。
年率5%でしか成長していない低成長株をPER25倍で買うのと、年率30%の急成長株を同じくPER25倍で買うのは全く持って話が違ってきます。
前者のような買い方をすると痛い目を見ますが、後者ならば報われることもあるでしょう。
また、売り時についても同じことが言えます。
成長株として年率30%の成長を遂げてきた銘柄が成長率10%程度の優良株に落ちてしまったとするとそのままPER25倍で持ち続けるのは危険です。
このようにその銘柄がどの種類に分類されるかはとても重要なことなのです。
一番多く儲けられる銘柄は?
この銘柄の分類において一番儲けられる銘柄はなんだと思いますか?
実は「業績回復株」です。
これはピーター・リンチが自身の実績から述べていたことです。
私はてっきり高成長株だと思っていたのですが、そうではないのですね。
おそらくこれは、「業績回復株」が適正価格を超えて売られすぎることによるものでしょうね。
ハワード・マークスが言うように、「振り子が一方の極端な方に振れると行き過ぎることがある」というものでしょう。
振れれば振れるほどその分、揺り戻しの際に得られる利益も大きくなるというものです。
一方で高成長株はその高成長株故に”目立つ”んですね。
業績を見れば大きく成長していることが明らかにわかるので、株価もそれを織り込んじゃっているので旨味も少なくなっていくと。
上記の記事でも触れているように「高成長=買い」ではなく、あくまで「価値と価格の差」で投資することなんですね。
(もう何度も繰り返し言っているが)
一番リターンが期待できるのが「業績回復株」ということで私もいつかはこの業績回復株に手を付けたいなと思っているんですがね…
いつになりましょうか。
気をつけるべき点
この本を読むにあたって気をつけなければならない点にも触れておきましょう。
この本の英語版は1989年に書かれたということもあって30年以上も前なんですね。
(本書に登場する利益と株価のチャートも手書きで書かれている)
投資の考え方とかその辺りは今も通用するものであって、これまで述べてきたようにとても有用なものです。
しかし、かなり部分的なところで補足を入れておきましょう。
それは著者が「ハイテク株への投資は避けろ」というような記述があり、その筆頭にインターネット関連株を挙げています。
しかし、今となってはインターネットは世界に十分浸透したものです。
私のポートフォリオもそれを避けては成り立たないくらいです。
むしろそのような銘柄の方が目を見張るような成長をし、かなりの恩恵を受けられる銘柄が存在します。
まあ、もう十分知れたことですよね。
なのでそこはかなりのギャップが存在すると思って見てください。
今でいうハイテク株はバイオ関連だったり量子コンピューターだったりそんなとこでしょうか。
相変わらず赤字を垂れ流し続けている、そんな分野に置き換えて読むと良いと思います。
まとめ
この本では他にも「地味な企業に投資しろ」や「ポートフォリオの適正な銘柄数」など、投資のツボをよく抑えた内容が盛り沢山です。
投資を始めたばかりの方や投資で利益を上げられない人はこの本を読み込むことで”勝てる投資家”になれるのではないでしょうか。
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