書籍紹介「株式投資の未来」~成長の罠を暴く~

書籍紹介「株式投資の未来」成長の罠を暴くのアイキャッチ画像

さてさて、こちらの方も進めていきましょう。
書籍紹介シリーズ。

前回の記事はこちら↓

↓この記事でいうところの
「②財務諸表を理解する」まで終わりました。(なんだか全然進んでないね…)
今回からは「③投資の理解を深める」が始まります!!

書籍紹介「株式投資の未来」

さあ、今回からは「③投資の理解を深める」です。
今までは本当に基礎的な所の書籍の紹介で退屈に感じる人もいたかもしれませんが、ここからは実際の投資について触れた本が多く登場します。
それに伴い、今後かなり重要な本の紹介も増えますのでお楽しみに!

株式投資の未来

今回紹介する本はこちら、『株式投資の未来』です。

この本はジェレミー・シーゲルという金融学の教授が書いた本です。
教授が書いた本といっても別に難しい数式が出てくるようなものでは無く、比較的どなたでも読めるのではないでしょうか。(PERとはどんな指標かくらいは理解できたほうが良いでしょう)

どんな本?

この本がどんな本なのかというと…
簡単に言うと「今までの投資の常識を覆してくれるような本」とでも言いましょうか。
「投資でリターンを得るにはこんな銘柄に投資すれば良いんだよね」という思い込みを(過去のデータに基づいて)ひっくり返してくれるような本です。

例えば…

  • IPO銘柄や、人々が熱狂するような銘柄に投資して思うようにうまくいかない
  • 高成長銘柄を選択しているのに損ばかりしている
  • インデックス投資を始めようとしているけど、どのファンドを選べばいいかわからない

以上のような人に特にオススメです。
今回は個別銘柄を選択して投資する人だけでなく、インデックス投資をしている人や始めようとしている人にもヒントになることが書かれています。
ありきたりのことが書かれているような本ではないので、「投資についてもっと学びたい」という方や「学び直したい人」にももちろん読んでいただきたいです。

成長の罠を暴く

それでは特に気になった所を具体的に紹介していきましょう。

この本は大きく分けて1~5部に分かれていて、それぞれの”部”はいくつかの”章”で構成されています。
第1部は『「成長の罠」を暴く』とあります。

皆さんも「高成長銘柄」に投資をしたことがありますか?
できるだけ多くのリターンを得たいので、勢いがある高成長銘柄に投資したいと多くの人が思うでしょう。
かくいう私もそうです。
しかし、投資は高成長銘柄を見つけて投資すれば必ずハイリターンが得られるようなものではありません。
“高成長”ばかりに気を取られていては肝心な”ハイリターン”が得られないという事実をこの第1部では暴いているのです。

なぜ、そうなるのか?
先端技術を導入することで莫大な経済成長がもたらされる一方で、なぜ投資家が大火傷を被るのか?理由は単純だ。
新たなテーマに熱狂して、話題の銘柄に手を伸ばす投資家は、そのたびに、過大な値段を支払わされる。
やみくもに成長性を追い求めるあまり、変化が早く、競争が激しすぎる業界の銘柄を過大評価する。
こうした業界で勝ち残るのはごく一握りに過ぎず、この一握りでは、敗者の群れが残していった損失をとても穴埋めできない。

ジェレミー・シーゲル 『株式投資の未来』

おわかりですか?
重要なのは価値に対して支払う価格なのです。
”どれだけ高成長していてもそれに見合った額までしか支払うべきではない”とここでは言っているのです。

さらに第3章の冒頭ではバフェットの言葉を紹介しています。

どれが「魅力的」(な銘柄)なのか、どうやって見分ければいい?
アナリストはたいてい、アプローチはふたつにひとつと思い込んでいる。
「割安株」戦略と「成長株」戦略だ。
これは一般的に正反対のアプローチとしてみられている。
我々にはよくわからない考え方だ。
成長性はつねに割安であることの一要因であり、「割安株投資」という言い方自体、重複している。

ウォーレン・バフェット  バークシャー・ハサウェイ1992年年次報告書

なるほどな、と思わされます。
「成長性」自体が払って良い”価格”を引き上げるので、成長性と割安は表裏一体ということです。
同じ価格でも低成長のものと高成長のものでは払って良い価格に差が出るのは当然のことです。
しかし、だからといって高成長であれば際限なく高い価格を支払うと痛い目に遭う。
そんな、“高成長にばかり目を奪われる投資家”が多いということをこの第1部では述べています。

これらを一言でうまくまとめているのが次の言葉です。

株式の長期的なリターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。

ジェレミー・シーゲル 『株式投資の未来』

ここでいう「投資家の期待値」とはおなじみの指標で言うところのPERにあたりますね。
なので私は常に”高成長低PER銘柄”を探しているのです。

以上の調査から導き出せる結論はこうだ。
黄金銘柄に支払う対価は、PERで20倍から30倍までが妥当だろう。

ジェレミー・シーゲル 『株式投資の未来』

私の感覚もこんな感じです。
どんなに高成長でも30倍以上で買うのはかなりの抵抗力がある。
高くて20倍代中盤かな。
感覚ですけど今まで購入した銘柄でかなりの成功を収めているものは、PER20倍を切るくらいで購入したものが多いんじゃないかなぁ。

このように、第1部だけでもかなりの読み応えがあります。
まだ紹介したい内容はあるのでそれはこの次の記事に続きます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました